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3Dプリント品の塗装方法|下地処理から仕上げまでを解説

サポートを切り落とした跡が白く残ったまま、スプレーを一気に吹いてムラになります。

塗装の失敗はたいていここから始まります。

出力したばかりのPLAパーツにそのまま色を乗せると、塗膜が爪で引っかいただけで剥がれます。

仕上がりを決めるのは洗浄・ヤスリがけ・サーフェイサー(下地用の塗料)という3つの下地工程で、色を乗せる作業自体は最後の短い時間です。

とくに見落とされやすいのが洗浄で、ビルドプレートから外すときの皮脂やサポート処理中に付いた手の脂が残っていると、塗料が食いつきません。

本記事では、下地づくりから色を乗せるまでの手順・塗膜が剥がれる原因と直し方・PLAとPETGとTPUで変わる注意点を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

3Dプリンター出力品の塗装は、洗浄・ヤスリ・サーフェイサーの順で下地を作る

洗ってから削る

最初にやるのは中性洗剤とぬるま湯での水洗いです。

食器用洗剤を数滴たらした水に浸け、使い古しの歯ブラシで全体をこすってから、流水でしっかりすすぎます。

順番を逆にしてヤスリがけから始めると、削りカスが脂と混ざって溝に詰まり、あとから落ちにくくなります。

洗ったあとは自然乾燥で、ドライヤーの熱風は当てないでください。

PLAは熱に弱い印刷素材なので、乾燥を急ぐと細いパーツが反ります。

乾いたらサポート痕をデザインナイフで平らに削り、紙ヤスリの400番から600番、800番へと番手を上げていきます。積層痕そのものを完全に消したい場合はこの工程が主役になるので、3Dプリント品の表面処理のやり方で解説している研磨とパテの使い分けを先に読んでおくと、どこまで削るかの見当が付きます。

サーフェイサーは色ではなく傷を見るために吹く

サーフェイサーは灰色や白の単色で、全体を同じ色に覆うことで残った傷や段差を見えるようにします。

缶を20cmほど離し、1回で色を乗せきらず、薄く2回に分けます。

吹いたあと光にかざして筋が見えたら、そこだけ800番で削って吹き直します。

この時点で傷を潰しておかないと、色を乗せたあとで同じ筋がそのまま浮きます。

色は砂吹きから入る

本塗装の1回目は、わざと離して細かい粒を薄く載せる砂吹きから始めます。

表面がざらついて見える程度で止めて乾かし、2回目から距離を詰めて色を均していきます。

いきなり近くで厚く吹くと垂れますし、溝に塗料が溜まってディテールが潰れます。

色が決まったらつや消しや光沢のクリアを1層かけて、塗膜を保護します。

下地を省くと、塗膜はマスキングテープで剥がれる

洗浄を飛ばした塗装は、見た目では成功したように見えます。

差が出るのは数日後で、2色塗り分けのためにマスキングテープを貼って剥がした瞬間、テープ側に塗膜が付いてきます。

パーツを持っただけで指の形にテカる場合も、脂の上に塗料が乗っているだけの状態です。

積層痕を削らずにサーフェイサーで埋めようとするのも同じ結末になります。

溝に溜まった厚い塗料は内部まで乾くのに時間がかかり、表面だけ先に固まったあとで痩せていくため、1週間ほどしてから筋が浮き上がってきます。

厚く吹いて隠すのではなく、削って平らにしてから薄く吹くほうが結果的に早く終わります。

塗装でよくある失敗と直し方

表面が白くかぶった

吹いた直後に白っぽく曇るのは、湿度の高い日に起きる現象です。

塗料の溶剤が蒸発するときに表面の温度が下がり、空気中の水分が付着します。

梅雨時や雨の日を避けるのがいちばんの対処で、どうしてもその日に塗るなら、完全に乾いてから細かい番手で表面を均し、乾いた日に薄く吹き直してください。

塗料が垂れた・ディテールが埋まった

原因は近すぎる距離と1回あたりの吹きすぎです。

垂れた部分は完全に硬化させてから600番から800番で平らに削り、周囲となじませてから再塗装します。

乾ききらないうちに触ると傷が深くなるので、指で触れずに半日は置いてください。

いつまでもベタつく

厚吹きと乾燥不足が重なると、表面を触れるようになったあとも内部が固まらず、重ねた部分が指紋を拾います。

缶の表示にある乾燥時間は指で触れられるまでの目安で、完全に硬化するまでの時間とは別です。

重ね塗りの間隔を長めに取り、塗り終わったパーツは1日以上そのまま置いてから組み立ててください。

塗装に要る道具と、割り箸で代用できるもの

買い足しが要るのは、中性洗剤・紙ヤスリ(400番・600番・800番)・サーフェイサー・塗料・クリア・マスキングテープです。

紙ヤスリは3種類まとめて入った袋が100均で買える範囲にあり、最初はそれで足ります。

パーツを持つ棒は割り箸に両面テープを巻けば代用でき、乾燥台は段ボール箱に割り箸が刺さる穴を開けるだけで作れます。

サポートを切るニッパーと、ゲート跡を削るデザインナイフは塗装前の工程で必ず使うので、まだ揃っていなければ3Dプリンターの必須工具で解説している最初の一式から選んでください。

エアブラシは缶スプレーで代用が利きますが、逆に缶スプレーはマスクと換気の代用が利きません。

屋外で吹くか、窓を開けて防毒マスクを着けてください。

PLA・PETG・TPUで変わる塗装の手順

同じ手順がそのまま通るのはPLAまでで、ほかの印刷素材では削り方と塗料の選び方が変わります。

素材削りやすさ塗装での注意点
PLA硬くて削りやすい熱に弱いので熱風乾燥と車内放置は避ける
PETG粘りがあり削りカスが伸びる力を入れず低速で削る。水研ぎが向く
TPU柔らかく番手が利かない曲げると塗膜が割れる。着色フィラメントを選ぶほうが現実的
ABS・ASA削りやすい溶剤で侵されやすい。A1シリーズでは公式に推奨されていない素材

TPUのような柔らかい素材に硬い塗膜を乗せると、一度曲げただけでひび割れます。

色を変えたいだけなら、塗装せずに色付きのフィラメントで出力するほうが確実です。

ABSやASAは溶剤との相性がよく表面をなめらかにしやすい反面、ラッカー系の塗料でも表面が溶けることがあるため、目立たない面で試してから本番に進んでください。

そもそもABSやASAをどう印刷するかで悩んでいる段階なら、エンクロージャーは必要かで解説している素材ごとの必要性から確認すると順序が整理できます。

重ね塗りの間隔と、塗装する場所の決め方

重ね塗りの間隔は缶の表示に従うのが基本で、室温と湿度で前後します。

冬場や梅雨時は表示より時間がかかるので、指で触れる状態になってもすぐには次を吹かず、少し長めに置いてください。

何層も重ねる予定なら、1日1〜2層のペースに落としたほうが仕上がりが安定します。

場所は、プリンター本体から離すのが鉄則です。

飛散した塗料のミストはリニアロッドやベルト、ファンの羽根にも付着し、動きを渋くします。

同じ部屋に置くなら、少なくとも印刷中は吹かないでください。

設置場所そのものを見直すなら、3Dプリンターの置き場所で解説している換気と作業スペースの条件が参考になります。

缶スプレーを使った日は、作業後も溶剤のにおいが残るため、しばらく換気を続けてください。

よくある質問

サーフェイサーを省いて直接塗ってもいいですか

塗れますが、下地の色が透けてムラになり、細かい傷も残ったまま仕上がります。

元のフィラメントと近い色を乗せる場合や、試作品で見た目を問わない場合は省いてもかまいません。

白や黄色のような隠ぺい力の弱い色を乗せるときは、サーフェイサーがあるかどうかで発色が大きく変わります。

100均で買える範囲のスプレー塗料でも塗れますか

塗れます。

ただし粒子が粗めで1回あたりの吐出量が多い製品があり、厚吹きになって垂れやすくなります。

普段より距離を離して、薄く回数を分けてください。

色数とつやの種類は模型用の売り場のほうが揃っているので、塗り分けの細かい作品では専門店の価格帯の塗料を選ぶ場面が出てきます。

接着と塗装はどちらを先にやりますか

接着が先です。

塗膜の上に接着剤を付けても、塗膜ごと剥がれます。

分割して出力したパーツは、接着して合わせ目を削ってからサーフェイサーに進んでください。

PP・POM・シリコーンゴムのような接着しにくい樹脂には、セメダインPPXのようなプライマー式の瞬間接着剤が用意されていますが、同製品はアクリル系・ポリカーボネート系・ポリスチレン系にひび割れや溶けの恐れがあると案内されているため、使う前に対象の樹脂を確認してください。

塗装せずに色を変える方法はありますか

色付きのフィラメントで出力するのがいちばん手早い方法です。

複数色を1つの造形物で使い分けたい場合は、Bambu LabのAMS lite(4巻のフィラメントを自動で切り替えるユニット)のような多色ユニットを使う選択肢もあります。

ただしAMS liteはTPUに対応していないため、柔らかい素材での多色造形には使えません。

まとめ

3Dプリンターの出力品を塗装するときに手を抜いてはいけないのは、色を乗せる前の洗浄とヤスリがけです。

脂が残っていれば塗膜はテープで剥がれ、積層痕を残したままサーフェイサーで埋めれば数日後に筋が浮きます。

色は砂吹きから始めて薄く重ね、乾燥は表示より長めに取ります。

この2点を守るだけで、仕上がりの印象は変わります。

素材によって手順が分かれる点も忘れないでください。

PLAは熱に弱く、PETGは粘って削りにくく、TPUは曲げると塗膜が割れます。

ぜひ本記事の素材別の注意点と失敗パターン別の直し方を参考に、手元のパーツに合った手順で塗装を進めてください。

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